解かれることとなる。 「君の母上が、父上にまったく気兼ねせずに生きられるように、だよ」 どれほど。 どれほど、父は母を愛していたのか。 その事実に、若い桃はただただうちのめされるしか出来なかった。
www.vinalterst.com エインが、自分を押し殺してまで、彼女を父に会わせようとしてくれる気持ちはありがたいものだ。 自分の気持ちより、父の気持ちを汲んだということなのだから。 「何故!?」 何の障害もないのに断られるのは、理不尽だという視線が飛んでくる。 障害は、確かにない。 だが。 「私は、殿下のお付きですから。まだ神殿にたどり着いていないのに、それを放り出して行くわけにはいきません」 桃には、やるべきことがあったのだ。 絵の中から、母が見ている。 ここで桃が役目を放り出して父に会いに行こうものなら、きっと母は悲しむだろう。
バッグ ブランド だから、その大切なことをやり遂げなければならなかった。 「で、では、帰りは?」 エインの言葉に、心が揺れる。 ゆらゆらと、甘い自分の心が揺れ動くのだ。 「都に帰りつくまでが……私の旅です」 母が。 母の絵が、そこになかったなら。 桃は、弱い娘になっていたかもしれない。
プラダ 桃は──弟が父を愛する子でよかった、と思ったのだった。 部屋に戻ると、コーはぴくりとも動かないまま、ぐっすりと寝入っていた。 そんな彼女を横目に、桃は寝台へとひっくり返る。 今日は、本当にとんでもない一日だった。 まだ、全然頭の整理がついていない。 夫人との対面から、母の絵。 クージェの乱入に、晩餐のコー。 そして─
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