手をどんどんドリブルでかわしていく。2人、3人―― 『は、速い速い! サクライ、強引なまでの中央突破! 一騎駆け! 味方ゴール前から相手陣地、
www.zcny88.com約60メートルを、一人でボールを持ち運びます! ああ! これにはたまらず三國ディフェンス、ファールで止めてきました! サクライをスライディングで倒し、ゴールから約25メートルの距離で フリーキックを与えてしまいました』 「いきなりドリブルのリズムが変わったな。ありゃ対処できねぇよ」 守備を得意とするジュンイチも呆れ顔だ。 この大会、僕はフリーキック
バック セリーヌだけで4得点を決めていて、「サクライに25メートル以内でのフリーキックを与えたら、失点を覚悟しろ」と、相手チームを恐怖のどん底に突き落としていた。 僕の得意なキックは、鋭いカーブをかけて高い軌道から落とす、現在『ドラゴンダイブ』と言われる軌道のキックなのだが、画面の僕はボールにカーブを書けず、まるで弾丸のようにゴールに向かう、速い球筋のキックで、ゴールの最短距離にボールを叩き込んだ。 『ゴール! 開始まだ僅か2分で、埼玉高校、反撃の狼煙を上げる一発! 今大会、彗星の如く現れた小さなファンタジスタが、たった一人で強豪三國から豪快なゴールを上げました!』 歓声に沸く埼玉高校ゴール裏
セリーヌ バッグの応援団の嬉しそうな表情の後、テレビの画面には、周りを見渡して、何かを怒鳴っているような僕の表情が映される。 「はは、この時ケースケ、しっかりしろ! って怒鳴ってたんだよな」 ユータが僕の表情を窺う。 「しかし、さすがにあれ見たら、気合も入った
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