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明が五丈原で生

に思えるなんて…… 「……」  ――ああ、そうか。  僕の人生は、ろくでもないことばかり、汚いものばかりだったけれど……  でも――だからこそ、こうしwww.23xpj.comて暖かなもの、幸せなことを、より確かに感じられるのかも知れない。  それで、僕のあの、腐ったような日々は、少しは報われるだろうか…… 「あ、サクライさん」  そんな僕にシズカが声をかけた。 「食事の後、よかったら、花火やりませんか?」 サマンサタバサ 財布  食事の後、僕とシュンは二人で、マツオカ家の所有する駐車場に出ていた。僕の横にはリュートもいて、大人しく僕の横に座っている。 「そうか、もう7月なんだよな」 「ええ、もう七夕も終わってしまいました」  シュンは夜空を見上げる。  僕もようやく真っ暗になっサマンサた夜空を見上げる。昼間ほどではないけれど、夜でもまだ蝉が鳴いている。一ヶ月前に見る空と、星ががらりと変わっている。ベガ、アルタイル、デネブ――夏の大三角が見えるようになっていた。  織姫星のベガ、彦星のアルタイルと比べると、デネブは日本ではメジャーさに欠けるが、デネブは太陽の数千倍のエネルギーを持つとんでもない星だ。地球からベガまでは25光年、アルタイルは18光年なのに、デネブは1800光年(推定)も遠くにある。今見えているデネブの光は、聖徳太子が生きている頃や、ゲルマン民族が大移動している時――あるいはもっと昔。諸葛孔明が五丈原で生涯を閉じた頃、デネブが発した光かもしれない。そんな途方もない話を可能にしている星だ。 「全く――たかが家でやる花火で、わざわざ浴衣に着替えてこなく
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